安保法案、外相答弁めぐり紛糾 野党、次の一手は?

衆院平和安全法制特別委員会は29日、岸田外相の答弁をめぐって紛糾し、野党各党が退席したため開始から約1時間で質疑が中断しました。野党側は「早く質問しろよ」という安倍首相の28日のやじにも反発しており、対決色が一段と強まっています。野党が問題視したのは、民主党の後藤委員への岸田氏の答弁です。

1998年2月26日の衆議院予算委員会で、岡田克也委員の「中東で産油国に危機が発生して、我が国に石油が来ない場合は周辺事態になるのか」という質問に対して、外務省北米局長と橋本首相、小渕外相らが「湾岸、中東などで起きている事態について言えば、日本の平和と安全に重要な影響を与えるかどうかという観点からいえば、そういうことは基本的に生じることは想定しえない」「そういう事態は周辺事態には該当しない」などと答弁しています。
後藤氏は岸田氏に、「軍事的波及が日本にない場合は周辺事態に該当しないとする答弁は現在も維持しているか」と尋ねた。岸田氏は直接答えず「99年に政府統一見解が示され維持している」と答えました。

嗚呼、無念 答弁できず

嗚呼、無念 答弁できず

(イラスト 工場長)(コラージュ 副島和芳)

前日の特別委で岸田外相は98年の局長答弁を踏襲し、「経済面のみの影響が重要影響事態となることは想定していない」と明言していました。しかし、99年の「周辺事態の概念」に関する政府見解では「我が国の平和及び安全」の意義について、「軍事的な観点をはじめとする種々の観点からみた概念である」と説明。98年の局長答弁を打ち消し、経済的な影響も周辺事態に含まれる余地を残していました。

98年の答弁が維持されると、ホルムズ海峡機雷封鎖により石油が日本に来なくなった時に、首相あるいは政府は「周辺事態あらため重要影響事態(とする案)」を使えないことになり、首相の防衛出動命令である、「武力攻撃事態対処法に付け加える存立危機事態(という案)」を使うことになり、日本が平時であるにもかかわらず、首相が自衛隊に防衛出動を命じなければならないことになります。おそらく後藤氏はこういう展開に持っていこうとして質問したと思われます。法案の不備に直結しそうな質問だったため、岸田外相はあえて答えなかったものと推察されます。

良い所を突いたとは思いますが、全体的に議論が深まっているとは言い難い状況です。この責任の大半は政府側の答弁にありますが、野党側にも詰めの甘さがあります。
週明けに、外務省がどのような答弁をするのかわかりませんが、曖昧な答弁を許さず厳しく追及すべきです。

そもそも、11もの法案を十把一からげにするから、外相も迷走してしまうのでしょう。
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安保法案実質審議 憲法には戦争放棄と書いてある

集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案の実質審議が、衆院平和安全法制特別委員会で始まりました。日本の安全保障政策を大きく転換させ、「平和国家」を変容させる法案です。

安倍首相は、自衛隊の海外派兵について「一般に憲法上、許されない」と述べました。その上で、停戦前の機雷掃海を例外に挙げ「現在、他の例は念頭にない」と強調しました。なぜ例外なのか。その理由は、政府が掲げる武力行使の新3要件を満たすことがあり得るからだといいます。
新3要件は「わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」ことなどです。

確かに中東・ホルムズ海峡が機雷封鎖されれば、国民生活に影響が生じる場合があるでしょう。だが、それが日本の存立が根底から覆される明白な危険とまでいえるのでしょうか。時の政権によって、新3要件が恣意的に解釈される恐れは消えません。

「戦争法案」の中心メンバー

「戦争法案」の中心メンバー

(イラスト 工場長)(コラージュ 副島和芳)

そもそも、憲法で禁じられている海外派兵の例外を首相が決めること自体、極めて問題です。
また、首相や防衛大臣は、自衛隊のリスクが高まることもけっして認めません。
法案は、武装集団に襲われた国連要員らを助けに行く駆け付け警護も可能にします。災害時の被災者救助などとは危険性の次元が違います。それでもリスクが高まることを認めないとは、一体どういう精神構造なんでしょうか。

審議を通して懸念が払拭されるどころか、疑念はさらに深まるばかりです。首相や閣僚は、話をすり替えたり、はぐらかしたりするのではなく、疑問に真正面から答えなければなりません。法案を正当化する見解を繰り返すだけでは、議論は深まりません。それができず、疑念を晴らせないのなら、法案成立は断念すべきです。
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NPT会議決裂 遠のく「核なき世界」

オバマ大統領は、2009年4月にプラハで「核兵器のない世界」をめざすという歴史的演説をしました。
「米国は核兵器を使用した唯一の国家として道義的責任がある。明確に信念をもって核兵器のない世界を追求する先頭に立つ」と、イラク、アフガニスタンなどで戦争を継続中の米国大統領から出た言葉に世界は、半信半疑ながら大きな時代の変化を感じたものでした。あれから6年、過去形で語らねばならないのが残念でなりません。

22日、国連本部で開催されていた核拡散防止条約(NPT)再検討会議は、中東非核化に関する国際会議をめぐる加盟国の対立が解消せず、最終合意案を採択できずに閉幕しました。5年に1度の会合で、約1カ月にわたる議論の成果が実を結ばない最悪の結末です。191カ国・地域が加盟しながら全会一致の合意方法をとるNPT体制のもろさを露呈し、「核なき世界」の道筋の険しさも浮き彫りとなりました。しかし、NPT体制に代わる仕組みが見当たらないのが実情です。

憲法上は原子爆弾だって問題ではない。小型ならね...

憲法上は原子爆弾だって問題ではない。小型ならね...

(イラスト 工場長)(コラージュ 副島和芳)

核保有国の現状に目を向けると、米国とロシアはウクライナ情勢で対立し核軍縮交渉は停滞しています。北朝鮮の核開発計画は不透明さを増していますし、中国は潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の実戦配備に動いています。世界は依然として核の危機にさらされたままです。

サイバーテロが現実的脅威となる中、サイバー攻撃が核保有国の核管理・統制システムを機能不全に陥らせ、核の誤発射や偶発使用を招かないとも限りません。
日本は唯一の戦争被爆国として核兵器のない世界へ向け、国際的な取り組みをリードしていく重要な使命を負っていると思いますが、「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね」と、2002年の早稲田大学の講演で語った方が現在の日本国の首相です。
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「巻き込まれ論」 首相、頭の中は、絶対権力者

安全保障法制をめぐる論点の一つに「巻き込まれ論」があります。
集団的自衛権の行使や、自衛隊の海外における活動の拡大によって、米国など他国の戦争に「巻き込まれる」のではないか、という問題です。
 
20日の党首討論で、この点に議論が及ぶと、安倍首相は頭から否定しています。「巻き込まれ論はかつて、1960年の安保条約改定時にも言われたが、これが間違っていたことは歴史が証明している」と述べています。「歴史が証明」は首相のお気に入りのフレーズです。
戦後、米国の戦争に日本が巻き込まれなかったのは、政府が、「憲法9条で集団的自衛権の行使が禁じられており、自衛隊は海外で武力行使できない」として断ってきたからです。つまり、憲法解釈が歯止めになっていたのです。ところが、安倍内閣は憲法9条の解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認しました。これで、日本が戦争に巻き込まれないための最も有効な歯止めが外れたといえます。

不要な、政治家、原発、その他の海洋投棄は国際法で禁じられています

不要な、政治家、原発、その他の海洋投棄は国際法で禁じられています

(イラスト 工場長)(コラージュ 副島和芳)

安倍首相は、列車のブレーキを利きそうにもないものに取り換えておいて「この列車は事故を起こしていないから、これからも起こさない」と言っているようなものです。自ら戦争に巻き込まれないための前提条件を変えたのを無視しています。「暴走列車」に乗せられた国民は途中下車も許されません。

集団的自衛権の行使は、日本が攻撃国になることを意味します。当然、日本が報復を受けるリスクがあり、巻き込まれ論という受け身のリスクではなく、自らより踏み込んでリスクを背負いにいこうということです。

「我々が提出する法律についての説明は全く正しいと思いますよ、私は総理大臣なんですから」党首討論での首相の言葉です。頭の中は、絶対権力者です。
安倍首相は「巻き込まれ論」を決して認めないでしょう。国民が本当のことを知れば、米国と約束した夏までの法案成立が不可能になりかねないからです。
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与党としての矜持はないのか 新安保法制

与野党は、自衛隊の海外での活動の大幅な拡大に繋がる新たな安全保障関連法案について、26日から国会審議を始めることで合意しました。戦後の安保政策の大転換をめぐる議論がスタートすることになります。
ある意味、戦地に自衛隊を送るというものを秘めた法案であり、一方的に国民に覚悟を迫るものです。

中谷防衛相は、自衛隊の活動範囲が広がることに伴う隊員の危険性について「リスクが増大することはない」と明言しました。隊員の危険性が高まらない理由について、自衛隊の活動地域の安全を事前に確認するなど危険回避の措置を講じるからとか、「(法整備で)日米同盟の抑止力は確実に高まり、抑止力で隊員の安全性も高まる」と強調しています。 
野党側は「リスクは飛躍的に高まる」(岡田民主党代表)と批判しています。中谷防衛相の言葉をまともに信じる人がどれほどいるのでしょうか。

落ちそうで、落ちない

落ちそうで、落ちない

(イラスト 工場長)(コラージュ 副島和芳)

新安保法制を国会に提出した以上、安倍政権は「リスクは高まるが必要だと思う」と正直に言うべきではないのか。与党としての矜持はないのか。その上で国会論戦にのぞむべきです。
それで初めて与野党のかみ合った議論ができるのではないでしょうか。そして国民の多くもこの法案の危険性を認識することとなるでしょう。

それを恐れて、首相は重要な論点から逃げ続けています。「リスク論」には触れず、「アメリカの戦争に巻き込まれることは絶対にありえない」、との言葉を振りかざし、数にまかせ夏には成立させようとしています。
安倍政権は、間違いなく「積極的平和主義」の名の下に日本を「戦争のできる国」に回帰させようとしています。

追記
しかし、ここにきて「公明党」ほんとうに影が薄い...
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