「ガラス細工」の日中首脳会談

11月10日、安倍首相と中国の習近平国家主席との会談がようやく実現しました。約2年半ぶりとなる日中首脳会談は20分余り。両首脳は冒頭で握手を交わしましたが、習主席は硬い表情を崩しませんでした。尖閣諸島をめぐる日中の対立が先鋭化しているなか、首脳対話によって緊張緩和、衝突回避へ動き始めたことは歓迎すべきことです。
これまで首脳会談が開けなかったのは、日本の尖閣国有化と安倍首相の靖国参拝に中国が強く反発したためです。中国側は会談に応じる条件として、尖閣領有権問題の存在を認めることと、首相が靖国不参拝を確約することを挙げていました。

これを打開したのが、11月7日に両国が発表した4項目の合意文書です。文書は、尖閣などをめぐる緊張状態について「異なる見解を有していると認識」と指摘し、歴史問題に関しては「政治的困難を克服することで若干の認識の一致をみた」と明記しました。

硬い表情のお二人でした (画像をクリック)硬い表情のお二人でした

日本は領有権問題を認めていないものの、中国から見れば、多少なりとも認めたように受け取れます。靖国にも言及していませんが、「困難を克服」との文面から、日本の姿勢を読み取ることが可能です。
文書自体、玉虫色の表現が目立ち、双方、都合良く解釈できる「ガラス細工」の危うさを抱えています。日中当局が文言を詰めぎりぎり譲歩した結果で、世界が注目する中、偶発的衝突の回避に向けた措置の具体化に迫られ、根本問題の解決を棚上げして「首脳対話」という形を整えたのが現実と言ってよいでしょう。

中国メディアは4項目の合意を大きく伝え、中国国民に対し、対日関係の改善に乗り出すとのシグナルを送り始めました。こうした報道は2012年9月の尖閣国有化以降、初めてであり、中国指導部の本気度を示しているともいえます。しかし、楽観視できる状況ではありません。
安倍首相は会談後「戦略的互恵関係の原点に立ち戻り、関係改善に向かう第一歩」と述べました。これを出発点に、両国の間にかかった細い糸を太くしていく努力と覚悟が双方に求められます。

追記
この、4項目の合意文書が後世、「あれが日中関係改善の第一歩だった」と評価される歴史的文書となることを期待してやみません。

★ 「日中関係改善に関する文書」全文 (外務省)
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ジャンル : 政治・経済

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